不動産登記とは
不動産登記とは、土地や建物の外観的な状況と権利関係を、一般に公開することで、取引の安全を図る制度です。誰でも、全国のどこの法務局からでも、不動産に関する情報を入手できます。
例えば、個々の土地や建物の図面、土地の位置関係を示した地図、各不動産の外観的な状況(所在、地番、家屋番号、構造、種類、面積など)や、権利関係(権利内容、権利者の住所、氏名等)を示した証明書を取得できます。
法務局で提供される不動産登記の情報を書き換える手続きは、ほとんどの場合、専門的な知見や技術が必要となるため、これらの手続きを代行する専門の国家資格が定められています。それが我々司法書士や、土地家屋調査士です。
権利関係は司法書士が、外観的な状況は土地家屋調査士が担っています。
相続
母が先月亡くなりました。父は10年以上も前に亡くなっており、父名義のままの田舎の実家に母が住んでいました。自分たち兄弟は両親のおかげで、家族を持ち、都会で暮らしておりますが、仕事もあるため、とても田舎の実家を管理していくことはできません。そこで兄弟で話し合い、実家を売却することになりました。
→人が亡くなった場合に、役所へ死亡届を提出するように、不動産の所有者等が亡くなった場合には、法務局へ新しい所有者を登録する手続きがあります。これが相続登記と呼ばれるものです。
この場合、実家を買いたいという人が見つかったところで、実家の土地建物の相続登記が終わっていなければ、売却することは出来ません。なぜなら、売主となるべき人がいないからです。亡くなっているお父様は、取引も契約もできません。
そこで、お父様の残した財産について、承継者を定めることになります。定め方は、遺言であったり、遺産分割協議であったりしますが、いずれでもなければ、民法に従って、法定相続分で承継します。
このようにして相続人がご実家の登記名義人となって、はじめて売却を行うことができるようになります。
その他、名義人が再婚されている場合であったり、前の配偶者との間に子がいる場合もあります。また、兄弟や甥姪が相続人である場合もあります。弊所はそういったさまざまな事例についても実績がありますので、安心してご相談ください。
贈与
特例措置などの制度を上手く利用すれば、資産を減らさずに不動産を贈与することができる場合(相続時精算課税制度や配偶者控除制度等)があると聞きました。
→ひとことで贈与と言っても様々なケースがあります。例えば、土地や建物の登記名義人を、①祖父母、親から子へ変更する場合、②親子共有の名義を子の単独名義に変更する場合、③相続を生前に行う意味での生前贈与、④夫婦間のご自宅の贈与、⑤毎年、一定の持分を時間をかけて複数回に分けて移転していく暦年贈与などです。これらの登記手続きは我々でお手伝いすることができます。
ただし、贈与を行う場合には、贈与税が課税される可能性があるので注意が必要です。贈与税は最も高額となる税金の一つですが、一定の条件を満たせれば、非課税となる制度があります。しかし、これらの問題は税務ですので、必ず事前に税理士や税務署の相談窓口へお問合せください。
売買
不動産仲介業者に媒介を依頼して行う一般的な取引と、個人間で直接取引をする場合があると聞きました。
→不動産を売買した場合、売買契約を締結すると、売主には、所有権移転(名義変更)手続きと物件の引き渡しなどの義務が生じます。このときに行う登記が、「売買による所有権移転登記」です。その際、売買代金の支払い等の決済立会、当事者の確認、住宅ローン等の担保設定などの登記手続きを司法書士が担当いたします。
不動産取引には目には見えない問題をはらんでいることがあります。これらを専門的な知見で調査して取引の安全を担保するのが不動産仲介業者の役割です。しかし、例外的に人間関係や不動産の属性によっては、不動産仲介業者を介さないで行われる取引も一定数あります。弊所はこういったご相談にも対応いたしております。
住宅取得等資金の贈与の特例(親から子へ、あるいは祖父から孫への、住宅取得等資金の贈与の税の減免に関する特例)については税務になりますので、税理士や税務署の相談窓口へお問合せください。
離婚
相手の不貞行為が原因で離婚を考えています。早く手続きを済ませてしまいたいですが、初めてのことで手続きが解らずに不安もあります。
→離婚をするとき、夫婦の財産は半分ずつに分けるのが原則です。財産分与として住居の名義変更をする場合、その登記手続きができるのは、離婚成立(離婚届の提出)の後です。特に協議離婚の場合には、離婚届を提出してしまった後から、相手方に登記手続等への協力を求めるのが難しい場合があります。こういった手続きは気分も重くなりますし、できるだけ早く手続きを終えて、新しい生活をスタートさせたいなど、はやる気持ちもあるでしょう。しかし、離婚協議書の作成や登記必要書類の準備をしたうえで、離婚届を提出すべきなど、手続きの順番にもセオリーがあります。離婚を検討される場合には、離婚届を役所へ提出する前に、まずは弊所までご相談ください。
抵当権(根抵当権)抹消
住宅ローンや、事業用資金などのために借入れを検討しています。
→抵当権設定とは、金融機関等の債権者に対して、土地や建物等の財産を担保として提供することです。個人間の貸し借りでは、当事者間の人間関係に基づいてなされることが多い(赤の他人同士が金銭の貸し借りをすることはほとんどない)ため、金融機関からの融資に関して行われることがほとんどです。
担保提供とは、債務者(借り手)の債務返済が滞り、債権者(貸し手)が、債権回収が困難であると判断した場合に、抵当対象物件を競売にかけて強制的に売却代金から債権回収することができるという仕組みです。こうした担保設定についても、弊所までご相談ください。
抵当権抹消
・住宅ローンの返済が終わりました。
・事業用に個人資産へ担保設定していましたが、もう借り入れは行う予定がありません。
→抵当権の元となる債権債務を完済した場合には、抵当権は消滅するため、その抹消登記手続きを行う必要があります。何もしなければ、抵当権の登記はずっと登記簿に付着したままです。また、完済したときには、抵当権者(金融機関等)から手続きに必要な書類を預かることになりますが、登記手続きをせずに放置していると時間の経過や書類の紛失によって、書類を再発行してもらわないといけないことがあります。これには余計な手間や費用が掛かることもありますので、お早目に済ませておくことをお勧めします。あらかじめ担保抹消手続きを行っておくと、相続や急を要する売却になったときにもトラブルを軽減する備えにもなります。
住所氏名変更
結婚して、名前や住所が変わりましたが、住所や氏名の変更手続きは必要ですか
→不動産を所有している方が転居や結婚などにより住所や氏名に変更があった場合や住民票を移した場合でも、不動産の登記簿(登記記録)上の住所が自動的に変更されることはありません。また、その変更登記の申請自体は義務付けられていません。
抵当権抹消登記や売買・贈与等による所有権移転登記をする場合には、その前提として、所有権登記名義人の住所や氏名の変更登記が必要になりますが、住所氏名変更登記の手続き自体が独立して求められるケースは少ないように思います。
また、法人名義で所有している不動産についても同様です。法人の本店や商号(社名)を変更した場合にも、不動産の変更登記手続きをしなければ、名義が自動的に変更されることはありません。法人の場合は、自然人の場合と違って、金融機関等の取引先によっては、本店商号変更登記の手続きを独立して求められることもあります。
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